



この記事で知れること
- 風邪とインフルエンザの違いと流行時期
- 密室で感染しやすい理由
- 映画館がやってくれている対策
- 自分たちでできる対策方法
流行らない年なんてない、必ずやってくるウィルスの季節。毎年、風邪やインフルエンザに悩まされているという方も少なくないのではないでしょうか。
特に密室ではウィルスに感染しやすいので、映画館に行ったら移された…なんてこともありがちですよね。しかし新作映画を観るためには、映画館に行くしかないので判断に迷うもところ。



ということで、ここでは映画館(密室)における、寒い季節に誰でもできる最低限のウィルス対策方法を解説していきます。
【参考情報について】本ページは以下の公式サイトより情報を収集しています。
- 厚生労働省:インフルエンザ(総合ページ)
- 厚生労働省:興行場法概要
- 政府広報オンライン:インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」
- NID国立感染症研究所:国立感染症研究所新型インフルエンザ対策行動計画
- J-STAGE:空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集
風邪とインフルエンザの特徴と違い・流行時期は?
一般的に風邪と呼ばれる症状は、様々なウイルスによって引き起こされますが、多くは、のどの痛み・鼻水・くしゃみ・咳などの症状が中心で、インフルエンザのような全身症状はあまり見られません。
発熱もインフルエンザほど高くはなく、市販薬でも回復するので、重症化するケースはほとんどありません。
一方のインフルエンザは、”インフルエンザウイルス”という細菌に感染することによって引き起こされる病気です。
38℃以上の発熱から頭痛・関節痛・筋肉痛・全身の倦怠感などの全身症状が、比較的急速に現れるのが特徴で、普通の風邪と同じように、のどの痛み・鼻水・咳などの症状も見られます。
また、子供の場合はまれに急性脳症、お年寄りや免疫力の低下している方は二次性の肺炎を伴うといった、重症化に至るケースもあります。
日本での流行時期は、風邪の場合は通年ですが冬季に多く、インフルエンザは例年12月~3月が流行シーズンです(ピークは1月~2月)。
いずれも、咳やくしゃみによる「飛沫感染(ひまつかんせん)」と、ウィルスのついた物に触れてしまうことで起こる「接触感染(せっしょくかんせん)」の2つが、主な感染経路となります。
密室で感染しやすい理由と実は映画館がやってくれている対策
ウィルスが密室で感染しやすい理由は非常にシンプル。密室は外とは違い空気の流れが鈍く、出ていく場所もないため、ウィルスは必然的にその場に止まることになります。
感染者がウィルスを撒き散らせば撒き散らすほど、空気中の細菌の数は増殖していきますし、その場にいる感染者の人数が多ければ多いほど、密室にいる時間が長ければ長いほど、感染のリスクは高まっていきます。
そうなると、最低でも1時間半〜2時間はこもることになるであろう映画館は、まさにウィルス感染の宝庫とも言える場所ですね。



と思われるかもしれませんが、映画館にはそもそも興行場法(こうぎょうじょうほう)というものがあり、そこで定められた衛生基準に従い、インフルエンザなどの感染拡大を抑制し、社会混乱を回避するための最低限必要な措置がとられています。
私たちの知らない間に劇場内は適切な換気・加湿が行われていたのですね。まぁ、だから絶対に安全ですということにはならないのですが…。少なくとも満員電車よりは感染リスクは低いと思われます。
ちなみに、空気が乾燥していると気道粘膜の防御機能が低下するため、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。乾燥がしやすい室内は、加湿器などを使い50~60%の適切な湿度を保つのが効果的とされています。
私たちにできる映画館でのウィルス感染対策7つ
ここまで、風邪とインフルエンザの違いや流行時期、密室で感染しやすい理由、映画館がやっている対策などについてお話ししてきましたが、ここでは具体的な「自分たちでできる対策方法」について、解説させていただきます。
密閉タイプの清潔なマスクをつける
飛沫感染を予防するのに、マスクはやはり必須です。特にワイヤーつきのマスクや立体マスクといった、肌とマスクの間に隙間を作らないタイプのモノが良いでしょう。中途半端に着けず、鼻から顎先までしっかり覆うのが適切です。
1度使ったマスクは使いまわさず直ぐゴミ箱に捨て、毎回必ず新しい清潔なマスクを使うようにしましょう。
20分間隔を目安に水分補給をする
いくら映画館で換気・加湿が行われているとはいえ、長時間その場にいれば体は乾燥してしまいます。特に喉・鼻の乾燥はウィルス感染のリスクを高めるので、こまめに水分補給をしましょう。
インフルエンザウイルスは喉・鼻の粘膜を通して感染するまでに、最速で20分と言われていますので、水分補給は20分間隔に行うのが目安です。
手で色んな物に触れたり、その手で顔を触らない
色んな人が訪れる映画館はどこにどんなウィルスが付着しているか分かりません。必要のない場所には極力触れず、ドアノブや手すりなど、どうしても触れる必要があった場合は、その手で顔(粘膜の周辺)を触らないようにしてください。
シアターへの入場前・後で手洗いを忘れない
人は自分でも気づかないうちに色んな場所に触れているものです。ドアノブや手すりなどを触った後はもちろん、映画の上映前・後もウィルスが付着している可能性はゼロではないので、必ず手を洗うようにしましょう。
お手洗いのハンドドライヤーは”念のため”使用しない
ハンカチを忘れた際に便利なお手洗いのハンドドライヤー。
厚生労働省の研究機関:国立感染症研究所による「国立感染症研究所新型インフルエンザ対策行動計画」にて「温風ジェット乾燥機は利用禁止」と定められたことで、一時期は「ハンドドライヤーを使うべきではない」とSNSでも注目を浴びていました。
しかし「空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集(2008)」に掲載された論文では、ハンドドライヤー使用後、手や空気中の菌数に変化はなかったと発表されています。
つまり、実際はハンドドライヤーを使うことでウィルスに感染する可能性の根拠はないということ。ただしハンドドライヤーそのものには細菌が付着しやすいようで、メーカーからは定期的な清掃を推薦されています。
これらの実情を知った上で、感染が心配だという方は、流行時期が過ぎ去るまでハンドドライヤーの使用を控えることをおすすめします。
インフルエンザ流行前にワクチン接種しておく
インフルエンザワクチンは、インフルエンザに感染してしまった際の発症確率を低減し、発症してしまった場合でも重症化防止に役立つとされています。
毎年、流行することは分かっているので、流行前にワクチン接種しておくことは予防策として非常に有効な手段です。
予防すれば絶対安全…ではないけれど感染確率は低減できる!
風邪やインフルエンザにかかりたくないなら、そもそも人が大勢集まる場所へ行かないことが一番の予防策とよく言われていますが、それはもはや冬眠しろと言っているようなもので、簡単に出来るわけがありませんよね。
それに、毎年楽しみにしている新作映画はやはり映画館でいち早く観たいもの。自分たちでできる最低限の安全対策は行っていきたいですね。









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